兵庫県東部に位置する歴史ある寺院内の【庫裡】改修計画。

歴史の中で部分的な改修跡が残る中、

フラットな視点から残すべきものと更新を必要とするものを整理し再生していくことを目指しました。

​

屋根の形状を生かした内部空間が存在していたが、断熱・遮熱性能が低い為、

既存の大空間の中に新たな箱を生成し、ダブルスキンとすることで住環境を整えます。

外と内をつなげる土間部分は、既存の空間を生かすことで、現代と過去の調和を試み、

ゆるやかなつながりを持ちつつ、腰壁とガラスのスクリーンによりプライバシーも確保します。

また本堂とキッチンをつなぐの動線となり、縁側の要素も担う、重要な空間です。

​

既存の柱や梁と新たな構造体が調和る中で、無垢のキッチンを配置することで違和感なく、様々な木の表情を作り出します。

日々の生活の中で木のぬくもりを感じ、現代の慌ただしい時間軸とは違う、ゆるやかな時間がこの空間には流れていると思います